遠州の知恵袋とは
産業社会の構造変化が求められている昨今、その一つの解決策として”ベンチャー“の創出が求められている。国、行政、公共団体の後押しで、様々なベンチャー企業策が講じられているが、経営実務経験の不足や専門知識の不足のため、ベンチャーの経営が軌道に乗る確率は極めて少ないのが現状である。そのため、ベンチャー育成には、立上り時に資金を支援するだけでなく、経営手段や専門知識の支援をある程度継続的に行う仕組みも必要である。
また資金を提供する側の、金融機関、投資家からすると、一般に新しい技術を応用したベンチャーの製品は、その技術内容や、市場性、将来性などについては判断することは困難で、いわゆる専門家による”目利き“に当たる機関の創出が求められている。このため専門家、企業経験者などによる客観的評価、顧客の評価などを詳細に聞く場の創設を行い、資金提供を躊躇している金融機関、投資家がベンチャーの支援をしやすくする活動を行う必要がある。
さらに、一般の中小企業経営者は、台頭したベンチャーの新しい企画を自社内に取り込むことによって、新しい製品分野を獲得することを模索している。このためには、その新しい企画の内容を正確に把握することが重要である。現状事業の先細り感や後継者難から事業撤退を考えている中小企業者にとって、ベンチャーに設備を貸与して自社工場を活用したり再活性化を図ったりする、場合によりベンチャー企業者に後継者となる機会を与えたりする、などの仕組みがあるとよい。こうした仕組みが創出できれば、中小企業は”輪廻転生” 型の自己再生サイクルを持続できる可能性がある。
いよいよ日本では予想された高齢化社会を迎え、“高齢者”に対する見方を変えなければならなくなっている。いわゆる“定年”を迎えても高い知識能力を有した人々が、“高齢者”という烙印を押され、まだ十分に活躍できるのに、その能力を有効に発揮できる場が用意されていないのが現状である。そこで、新しい高齢者が深い経験に基づいたアドバイスをするなどの能力を活用する場や、新たな起業関連の社会的活躍をする場を提供することにより、元気な高齢者生活を維持することが重要である。これこそが介護費用の低減を図る最も有効な手段となる。
以上のような状況から、これら関係者、すなわち、学術経験者、企業経営経験者、企業における商品開発経験者などにベンチャー評価を担当していただき、金融機関、投資家に向けた”ベンチャーオークション“を開催する。これには、ベンチャーと提携を希望する中小企業者にも参加を呼びかけ、事業提携の可能性について情報を交換し、再生サイクルへの取り組みを期待する。またこれら学術経験者、企業経験者の知識の陳腐化を防ぐために、最新技術の情報を取り入れ世界の動向を探ることを目標としたシンポジウムを開催する。これらによって、駿河を含めた遠州全域の産業と生活を考える知恵の袋を豊かにする。
目指す先
少子高齢化社会を解決する第二社会の建設
知恵爺の孫 ちえちゃん